書票の世界をお楽しみください

書票は15世紀後半、ドイツの神父ヨハネス・クナベンスベルグが作った木版画の蔵書票が世界最古級の一つだと言われる。花をくわえたハリネズミの図柄から「ハリネズミの書票」と言われている。 15世紀の中頃、活版印刷が発明され、大量に本が生産されるようになると、所有権を明らかにするために、本の見返しに小紙片を貼る事が考えられたのが、書評の始まりであると言われている。 我が国の書物は「和とじ本」が多く、主に蔵書票印が用いられて来たため、ヨーロッパにはかなり遅れを取ることとなった。プラハのエミール・オルリックが持ち込んだ4点の作品が1900年「明星」に紹介され、我が国の作家や文化人にショックを与えた。日本に滞在中に木版技術の習得に努め、同時にヨーロッパ石版の技術を我が国の版画家に教授したという。その後文化人や読書家などの間で広がりを見せ、多くの作品が作られてきた。 外国ではエッチングなどの銅版画が多く、木口木版、石版などが主流であるが、黒が主体なのに対して、我が国の木版画の技術は綿絵以来の伝統的な多色刷りで、欧米では人気がある。 書票は多くのものが葉書の半分位の大きさで、取り扱いも比較的簡単であること、大型の版画に比べて値段も負担がかからない事なども、コレクションがしやすく、世界に広がって言った要因の一つになったと思われる。 書票を持っている「票主」同士が交換して楽しむことも出来、世界各国で盛んに交流が行われている。本に貼る事が本来の形ではあるが「紙の宝石」ともよばれ、小さいながらも密度の高い美術品として、独自の世界観を持っているものである。
  「国際書票連盟」では、書票愛好家が一同に会する世界書票会議が1953年オーストラリヤで開かれ、以降国際的な交流を計ると共に、世界の代表的な作家の作品展なども開催。広く一般市民にも書票の文化、芸術を広める活動をしている。わが国でも各地で定期的に開催され、愛好家達が集まって交流が広められている。

参考文献「紙の宝石 書票を楽しむ」
北海道新聞社発行  土屋文男著



主な作品

天野 構造 梅原  博 小方 正法 加藤 照子
櫛田 諄造 山路 遊子 鈴木 孝太郎
須田 敏夫
中島 桂川
高垣 秀光
成田 郷子 沼田 豊彦
文月 恵津子
吉川 房子
若月 公平 坂本 久康

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